これが今から普通です。

福岡県の片田舎で小学校教員をしています。学び/未来の学校/算数・数学/脳/こころ/マネジメント/ライフ・ワーク・バランス/生産性を上げる仕事術/スポーツ/本/漫画/映画/珈琲・・・などなど思いつくままに日々の出来事を綴っていきます。

#13 ラストスパートは不要

6年生との授業も残りわずか。

 

相変わらず、自分(たち)で学んでいたので、邪魔をしないように、こんなことを黒板に書きました。

 

放課後、学年の先生から、「写真撮っちゃいました!ありがとうございます!」と言われました。子供にも同僚にも恵まれています。

 

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#12 黒板メッセージ

6年生の算数の授業中。まとめの学習です。どの子も自分でやることを決めて黙々と、そして必要な時に学び合いながら学習を進めていました。

 

そのとき、ある子は単に「答え」だけがあっているかではなくて、式や考え方が正しいのか何度も自分の答案を見直していました。細部まで注意深く。

 

私は特にすることもなかったので、こんな板書をしてみました。

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すると数名の子は自分のノートの表紙(!)に写していました。この子たちと授業をするのもあとわずかになりました。

 

しみじみ。

 

 

#11 モヤっと感からの。

昨日は、KUWAMANこと桑原昌之さんをお招きしてのセミナー。

 

ちょうど1年前に、KUWAMANさんが当時勤めていた神奈川県の小学校を訪問したことがご縁で、今回来ていただくことが実現しました。

 

昨日のセミナーはその時の教室と全く同じ雰囲気を感じました。終わったときに心があったか〜い感じ。居心地の良い空間をつくられていました。

 

学んだこと、心に残ったことはいっぱいあるのですが、1つだけ。

それは、KUWAMANさんが「学校に通えなくなった1週間」の話。そこで言われていたのが「スポーツだったら、やる気がないのにピッチに立っている感じ。そんなの子どもたちに失礼ですよね。」超納得。その経験から、子どもたちへの接し方、考え方を変えていかれたということでした。こういう、すごい実践者の方をお招きすると、なんか勝手にサクセスストーリーだけを想像しちゃうのですが、やっぱりそういう悩んだり苦労したりした経験が人を強くするんだなぁと実感。そして、安心(笑)。

そして思ったのが、そういう考え方というか自分の教育哲学とか理念とかをもって、そこをブレないようにすることが大事なんだなぁということです。何かあれば、いつもそこに帰るみたいな感じで。

 

自分には、まだそこが足りない。信念もってやってきたつもりだけども、まだまだだということ。人間のこと、教育のことまだ全然分かってないじゃーんみたいな。そういうモヤっと感が残ると、私は燃えちゃうんです。これ、いい傾向。来年度からの私に乞うご期待。へたに近づくとヤケドしますよ(笑)。気合いの入る1日になりました。

 

(今年度5回開催してきたこのセミナーも最終回。一緒に企画してきたO西先生とKUWAMANさんと撮った写真は宝ものだなぁ)

 

 

#10 教える/教えられるに序列はあるか

先日、職員室で激論が交わされました。

(本当はこの話題は公開しないつもりでしたがあとから後悔しないため記録に残します サム〜)

 

とある先生が、「分からない子が教えてもらう、分かる子が教える」というのは「学び合い」ではなく「教え合い」だ。そんなので学力が上がるわけない。(似た意見に、子供に序列化が生まれるのではないかと言われる方もいらっしゃいます)とおっしゃって、内心カチンときました。いや、ブチっと音がしました(笑)

 

が、私はこの手の話題には、正面からは乗っからない派です。「教え合い」とか「学び合い」とかの違いよりも他の観点から意見は申しましたが。(そのことにすら少し後悔はしたのですが…メンタル豆腐)

 

でも、今日、ある方のお話を聞いてストンと納得しました。これまでも、本で読んでいた内容なんですが、実際に聞いて、そうだなぁと思ったのです。

 

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「教える」のは誰のため?それは自分のためだ。相手に分かるように、何度も何度も考えて説明してもっと詳しくなっている。教えることで一番トクするのは自分なんだよ。

 

じゃあ「教えてもらう」のは誰のためになっている?それはみんなのためだ。全員が達成するのをめざしてるから、あなたは分かろうと努力して聞いているんだよね。だから、人に聞く、教えてもらうのは、みんなのためになっているんだよ。

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そこに本当に「序列」はあるのかという問題。

前々から思っていましたが、「序列」をつくりだしているのは子供ではないのです。

間違いなく、教師なんです。「教える方が偉い」なんて思っているのは今どき教師だけでしょう。

 

この内容を岡山県のK先生がすごい迫力で語られていました。感動しました。

 

そして、私もこんな芯の通った教師になりたいと思った一日でした。

 

 

#9 揺れながら安定

久々のブログ更新です。

自分でもびっくりするぐらい存在を忘れていました。(遠い目)

 

3学期のスタートはどうでしょうか。

これまでの積み上げから、順調にスタートしてどんどん高みをめざしている方、新たな人間関係のトラブルが・・・と心配事が増えている方、様々だと思います。

 

(意外だと言われるのですが)私は後者でした。3学期、これまで通り順調にスタートしたのはいいものの、卒業や進級への不安か、思春期など心の発達の背景か、子供たち同士でのトラブルが勃発したりして・・・。

 

でも、数年前からそれも「当たり前だな」と思えるようになりました。で、何年か前6年生を担任したとき、卒業前に以下のようなことを学級通信に書いていました。

 

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◆上の写真は法隆寺五重塔です。1300年以上も倒れずに現在も建っています。その要因は、その塔のつくりにあるといわれています。具体的には、法隆寺五重塔は、わざと揺れるつくりになっているそうです。揺れやすいからこそ、地震などの揺れを吸収して、倒れにくいそうなのです。このつくりは、東京スカイツリーも真似してあるそうです。

 

◆人間だって同じだと考えます。悩んだり迷ったりして、たくさん揺れたことのある人の方が案外強いものです。ちょっとのことでくよくよしてしまう人、なんだかうまくいかないなと悩みこんでしまう人も、実はその経験が自分を強くしているのだと覚えておきましょう。

 

◆みんなが卒業式で歌う、「旅立ちの日に」に次のような歌詞がありますね。「・・・ 意味もない いさかいに 泣いたあのとき ・・・」どんなことを思い浮かべながら歌っていますか。この6年間、友達とぶつかり合ったこと、友達関係で悩んだこと、ときには眠れない夜を過ごしたこと。そんな人もきっと少なくないのではないかと思います。そうやってたくさん「揺れた」経験は決して無駄ではありません。だからこそ「心かよった うれしさ」が実感できるのだと思います。

 

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揺れながら安定するのです。そしてこれは、大人だって教師だって、同じだと思っています。

 

 

#8 ほめる(その2 状況をつくる)

昨日のつづきです。

 

ほめ方の2つ目は、なでしこジャパン監督の佐々木則夫氏から学ぶほめ方です。

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女子サッカー日本代表近賀ゆかりという選手がいました。W杯の最中、勝てる試合で大きなミスをし、ひどく落ち込んだことがあったそうです。プレッシャーに押しつぶされそうな近賀選手を、佐々木監督は試合前日に、あえてBチームに落とします。

 

プレッシャーから解放され、のびのびとしたプレーを見せた練習後、「近賀、いい動きだったな。明日も頼んだぞ」と声をかけたそうです。佐々木監督があえてBチームに落としたところがポイントです。プレッシャーから解放させて、「いい動きだったな」とほめる状況をつくりだしているのです。つまり、2つ目のほめ方は、「ほめる状況を、こっそりつくりだす」です。昨日も書きましたが、こちらが重要であり、高度だと思っています。

 

例えば、高学年を担任したとき、始業式などで体育館に集合、整列するとき「静かな雰囲気をつくることができたね」「さすが高学年!」とほめるために、私は1学期の途中くらいから日本中の学校で大流行中(笑)の「前へならえ」制度をやめます。

 

「『前へならえ』ってやるよね。あれって何のためにするんだろう。」

 

こう問いかけると、子供たちはちゃんと分かっています。「前の人と間をあけて座りやすくするため」「まっすぐ並ぶため」・・・

 

そこで、決め台詞。「それって、『前へならえ』しなくても、みんなならできるんじゃないかな。」(真顔)

 

こう言うとはりきってやります。そして、余裕でできます。結果、体育館へ入場→整列→着席まで教師も子供も一言も発さずに済みます。すると「静かな雰囲気をつくることができたね」「さすが高学年!」とほめる状況がつくれるのです。

 

(もちろん運動会など全体でやる場合はやりますよ。)

でも、整列するときは「前へならえ」という普通は、これからは変わってほしいなと思っています。(だって、大人になってやりませんよね。「前へならえ」・・・。)

 

#7 ほめる(その1 探す)

私は教師の仕事の1つには、子どもたちに「自信」を与えることがあると考えます。

自信とは、「自分っていいな」「自分ならできそう、がんばれそう」と自分自身を認められることです。

では,どうすれば子どもたちに「自信」をつけることができるのでしょう。

その一つは「ほめる」ことだと思います。

 

私は、ほめ方には2つあると思っています。

 

1つ目は、元プロ野球監督の野村克也氏から学ぶほめ方です。野村氏は、ほめ方について次のように語っています。

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「ほめるときは、本人の自己評価より少し上の評価を、できるだけさりげなく、短い言葉でほめるのが望ましい」

つまり、本人も気づいていないようなところを探しだしてさりげなくほめるのです。

 例えば、「小さくありがとと言ったね」「ちらっと時計を見たね」「笑顔で聞いていたね」「ゆずっていたね」・・・

 また「さりげなく」ですから、言葉でなくてもいいと思います。

 例えば、うなずく。驚いた顔をする。小さく拍手をする…。

 

2つ目は、元なでしこジャパン監督の佐々木則夫氏から学ぶほめ方です。

そのほめ方はズバリ、「ほめる状況をこっそりつくりだす」です。

 

私はこちらがより重要であり、高度だと思っています。それは、また次回・・・。